独自の毛書技法

髪の毛の生え際の筆仕事にご注目下さい。長い線を1本書き隣に短い線を3本書き、その連続で髪の毛の生え際を表現します。髪の毛よりもやや薄い墨を使うことで優しさを出し、長い線を入れることによって力強さも表現しています。髪に近いほうが線が太くなることによって立体感が表現されます.

姫は殿とは対照的に長い線を入れません。少しづつ長さを変えることで優しさが一層増します。

能面技法

まぶたのところが鋭角に盛り上げてあります(真横から見るとよくわかります)ので同じ人形でも見る角度によって表情が変化します。

上のほうから見下ろすと切れ長の目できりっとした表情、自分と同じ目線で見ると穏やかな表情に見えます。

斜めから見てもまた違った表情ですし、見る人の心を映すこともあります。早朝見るのと夕方見るのとでは窓に差し込む光の加減で表情に違いがあり変化が楽しめます。量産品にはない職人仕上げならではの人形の楽しみ方の一つです。

匠の技(一覧)


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