匠の技 五大特長

衣裳着ひな人形は、どんなに高価で高級な人形でも一人の職人がすべてを仕上げることはありません。顔を作る頭師 、髪を結う結髪師 、胴体(衣裳)部分を作る着付け師 、そして指や冠を作る職人さんの合同の作品です。従いまして各々バラバラに作ったものを単に組み合わせてもバランスに欠け、よい人形はできません。同一工房内におけるチームワークの良さが、まとまりのある完成度の高い人形を作る大切な要素となります。

以下の技術は量産型の品には一切ございません

五大特長 その1

手彫り仕上げ

貝殻を粉にして膠(にかわ)で練る伝統素材の胡粉(ごふん)を塗り重ね、顔の立体感を出し、目や小鼻そして口を彫刻刀で削り、やさしく豊かな表情に仕上げます。さらに上塗り胡粉をハケで手塗りすることにより「溜まり」を防ぎ、彫刻仕上げの味わいをより引き立てています。

対して量産型は、型へ流し込む製法であり顔の表面もスプレー塗装です。

五大特長 その2

デッサンに基づく造形

絵画や彫刻などの芸術分野を学び身につけた作家が、冠から座台までを含めた造形が安定感のある正三角形に納まるようにデッサンします。それを粘土で立体にして確認します。その後、お顔など各部分を専門の職人が人形の材料で製作し、それらを元通りに組合わせることで、当初描いたデッサン通りの理想の形のおひな様に仕上げます。
同一工房内でなければ絶対にできない究極の制作工程です。

対して量産型は、顔、衣裳、冠などまったく関連の無いところで作られたパーツの組み合わせです。

五大特長 その3

正絹植込み結髪

光沢(テカリ)のあるナイロン糸ではなく、人形処橋本屋のおひな様は絹糸を黒く染めたスガ糸と呼ばれる伝統素材を用い、顔の周りの毛彫りという溝に植え込んで結髪しています。スガ糸は本当の髪の毛のような自然な風合いが出ますから人形の顔によく似合います。

対して量産型は、はめ込み式であり素材はナイロン髪なので光沢が強いです。

五大特長 その4

爪まで彩色したふっくらした指先

杓(しゃく)を持つ右手と自然に握った左手をご覧ください。高貴な人はめったに肌を見せないために左手は袖を握るようなしぐさになるのが自然です。人形一品一品に合わせた手を製作しております。爪の色や握った時のしわも表現しています。

対して量産型は、共通汎用部品の手で不自然に細長いです。

五大特長 その5

式正冠

平安時代以降の日本人の冠の正式な着け方です。冠の内部の「マゲ」に横から串を挿して固定していますので、余分な取り付けひもがありません。ひもが無いために、お顔が前後で分断されずスッキリ見えます。また一番の見せ場である衣裳の胸元に結び房が下がることがなく、一層美しく表現されます。

対して量産型は、共通汎用部品の冠ですから結び紐が必要になります。


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衣裳着人形の作品例


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