岐阜県美濃加茂市 高級人形専門店 人形処橋本屋。小さな想い出を贅沢に彩る熟練の技。 本物志向の人形専門店

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力石甲人、力石鎧秀作 美術工芸甲冑の優れた特長


美しい色彩と造形

鎌倉時代から南北朝時代の、世界が認める日本の国宝鎧を再現した色彩と造形美を表現していますのでいつまでも、飽きることなくお飾りいただけます。

丈夫で錆びない作り

金物は、細かい鋲一つ一つにいたるまで、非常に精密にサイズを設計して作られていますので、ガタやグラツキはまったくありません。また金色の金物はすべて特殊金属に24純金鍍金してありますので、湿気のある所でも錆びることはありません。また、紙やプラスティックなどの代用品は使っていません。すべて金属と皮と組み紐から制作されています。

時代考証に忠実な精緻な作り

兜鉢裏の浮き張り刺し子、裏側でも組み紐の繋ぎ目の糊付けが見えない丁寧な仕事、胴後ろ側の逆板の装備、....など数多くの見えないところまで行き届いた本格的な仕様です。また胴正面の弦走韋(つるばしりがわ)は本物のシカのなめし皮を用い、意匠は鎌倉時代から南北朝時代にかけての不動明王や獅子牡丹を描いています。


(1)編み目のきれいさ

▼力石作美術工芸甲冑
編み目
▼参考品
編み目

写真のように糸(組み紐)の編み目がまるで魚のうろこが重なっているように隣同士の糸の重なり具合がきれいです。幅が約1Cmの組み紐を直径約3mmの穴に通して仕上げています。写真は大袖部分ですが、力石作品はどの部分もこの様にきれいに編み上げています。

下の参考写真は糸の上下の重なり方がバラバラです。結構このような鎧が多いのです。

編み方は、鎧や兜の基本であり、職人の技術の見せ所です。その部分がきれいかだけではなく、兜のしころ(後ろの部分)などの形状に大きく影響を与えます。

小札頭(こざねがしら=金具の頭の部分)が糸の上部からあまり出していないところもご注目下さい。きれいさのポイントです。


(2)弦走韋(つるばしりがわ)

▼力石作美術工芸甲冑
弦走韋(つるばしりがわ)
▼参考品
胴正面

大鎧は馬上にて弓を射るのに合理的に出来ています。胴正面には弓を持ち矢を放ったときに弓の弦が引っかからないように文字どおり弦走韋が必ず張られています。また弦走韋の下部は、繰締緒(くりしめのお)という細くて丈夫な組み紐です。これも引っかからないための工夫です。

写真は不動明王と二童子像で鎌倉時代に多く用いられた意匠です。時代によって流行があり、平安時代末期頃は菱襷文なども用いられ、獅子と牡丹などもあります。

弦走韋の内側は組み紐が編まれています。弦走韋の素材は鹿の吟と呼ばれるなめし皮(韋の漢字を当てます)です。鹿韋は繊維が細かく非常に強靭であるにもかかわらず通気性があるので、昔から武具に多く用いられました。

節句に用いられる鎧に弦走韋が装備されているのはごくわずかで、通常は参考写真のように房などが付いています。


(3)草摺(くさずり)

▼力石作美術工芸甲冑
草摺(くさずり)
▼参考品
草摺(くさずり)

鎧を着用したときに腿の周りを覆う部分で、前後左右の四間に分かれています。前後の草摺は馬の背中になじむようにそれぞれ中央が一段分分かれています。また写真は右側やや後部より撮影したものですが、前後の草摺の方が左右の草摺よりも短いのも馬上でなじむ工夫です。

鎧は身を守る防御が目的です。草摺は前後左右がぴったりと密着して隙間の無いように出来ていることも大切です。参考写真は簡単に作られているため隙間が非常に大きくなっています。

鎌倉時代頃の鎧は日本が世界に誇る美術工芸品です。細かい部分の細工もすばらしいのですが、その造形美も外国の鎧には無い美しさがあります。お節句で飾る鎧も時代考証に忠実であれば本物の造形美が味わえるのです。


(4)鉢裏の刺し子

▼力石作美術工芸甲冑
鉢裏の刺し子
▼参考品
鉢裏

写真は兜鉢を裏側から撮ったものです。赤い布に刺し子が施してあるのがおわかりでしょうか?指で触るとわかりますが浮き張りになっています。布の強度を高めるのと、しわをなくすこと、そして裏から見てもきれいに見せるのが目的です。忍緒の結び方も力石甲人作品は本格的です。

参考写真は一般的によく見られる鉢裏です。赤い布が張ってあるだけなので当然しわが寄ります。直接見えないところはこの様になっていることが多いです。


(5)裏側の処理のきれいさ

▼力石作美術工芸甲冑
裏側の処理
▼参考品
裏側の処理

袖の部分の裏を撮影した写真です。組み紐を小札(こざね=金具)に通すときにどこかにつなぎ目ができます。通常は製作時間の短縮でコストを下げるために下の参考写真のように組み紐を切って糊付けがしてあります。

たとえ裏側でもひっくり返せば見えるところですから、優秀な作品はつなぎ目が見えないようにきれいに処理しています。これは袖だけではなく、兜の裏側や草摺の裏側も同じです。こだわりの職人ならではの仕事です。

本来袖の裏側は手の動きを妨げないように裏張りはない(矢摺り韋・篭手摺りなど細長い韋を張ったものはあります)のですが、節句に使われる鎧の中には見苦しい糊付けを覆い隠すために袖や草摺の裏全面に布などが張ってあるものもあります。


(6)背面の逆板(さかいた)と総角(あげまき)

▼力石作美術工芸甲冑
逆板(さかいた)と総角(あげまき)
▼参考品
鎧背面

逆板とは鎧背面のちょうど心臓あたりに横に伸び、上下に動く部分のことで、写真では赤い組み紐が逆板の下部にあたります。総角とは赤い大きな房のことです。総角は総角付環座によって逆板に接続しています。

逆板の役目は、三つあります。袖の調節機能、心臓部の防御、そして後ろ姿をきれいに見せるためです。ちなみに本物の鎧には必ず付いていますが、胴丸・当世具足などには付いていません。

参考写真を見るとわかりますが逆板がありません。総角付環座が直接鎧の背面に付いています。飾ったときに後ろは見えないので省略してあるのです。

美術工芸甲冑は後ろにもこだわり、鎧の八面麗瓏(はちめんれいろう=どの角度から見ても美しいこと)の美しさを表現するために当時の逆板を忠実に再現しています。


(7)二段菱縫(ひしぬい)

▼力石作美術工芸甲冑
二段菱縫(ひしぬい)

この写真は小札のクローズアップです。袖や草摺などの最下段の小札には赤い×印の菱縫が施されています。写真で採り上げた美術工芸甲冑は白糸威ですが、鎧の色目には関係なく、菱縫の色は赤です。平安時代から続く鎧の歴史を見ても例外はありません。これは赤色が昔から魔除けの色として考えられていたからだと思われます。鎧は身を守る防具であり、その効果を最大にするために袖や草摺、兜の周囲を赤く彩ったのでしょう。

一般には作りやすくするために菱縫は一段だけのことが多いのですが、力石甲人作品は時代考証に忠実に上下二段の菱縫を採用しています。(注:兜のみ一段)


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